平成28年度「作家ワークショップ」

「河村るみさんといっしょに いちのみやをなぞる、節子さんをなぞる」

事業報告

講師:河村るみ(アーティスト)
愛知県立芸術大学大学院美術研究料油画専攻修了。
私とはなにかということを出発点に、自分自身が生きていることについての思索を、「見ること、うつすこと」を手がかりに、パフォーマンスと映像を使ったインスタレーション制作や「ビュートレス - 風景をなぞる」ワークショップを行なっている。


【活動略歴】

ポジション2017 介 -生と死のあいだ(名古屋市美術館/2017)
「あそびはビジュツのはじまりだ!」(宮城県美術館/2016)
「−MULTI LAYER−」展(アートラボあいち大津橋会場/2015)
「なんだかうれしい!てんらんかい」(愛知県陶磁美術館/2015)など

「作家ワークショップ」は、アーティストの活動や発想に直接触れる体験を行うことを目的とした教育普及プログラムです。今年度は「河村るみさんといっしょに いちのみやをなぞる、節子さんをなぞる」と題し、アーティストの河村るみさんとともに、一宮の風景をガラス越しになぞる「ビュートレス」と、節子さんの作品を大きく投影してなぞるプログラムを行いました。


プログラムに先立ち、今日の説明を行います。年齢の小さな子どもたちも静かに聞いていました。今日はお絵かきをするのではなく「なぞる」のがルールです。


最初の活動「ビュートレス」でキャンバスとなるのは美術館の大きな窓。カーテンを開けた瞬間、部屋が一気に明るくなり、参加者の中からわぁっと歓声が上がりました。


窓から見える風景を特殊なクレヨンでなぞり、写し取っていきます。 同じ建物を違う角度からなぞったり、外に停まっている車や木々などをなぞる参加者もおり、さまざまな景色で窓が埋まっていきます。



午後は、ビュートレスを「消す」活動もしました。午前中の参加者が描いた部分もあわせてぬれた雑巾で拭くと、クレヨンの景色が一瞬にして溶けていきます。窓がぴかぴかになるまで拭いてくれた子もいました。


ビュートレスのあとは、カーテンを閉めて部屋の中央に映し出された絵に注目します。どちらも節子さんの作品で、左から《花》(1952年)《静物》(1943年)です。4月2日までの期間、常設展でも展示しています。河村さんからの「これは何が描いてあるかな?何に見える?」との呼びかけに、おはな、みかん、ケーキ、かぼちゃなど、大人では気付かないような見方も飛び出します。


壁には厚手の和紙が貼られており、映し出された作品を上からクレヨンでなぞります。自分の好きな色を選び、映っている中から見つけたかたちをなぞっていきますが、他の人がなぞった上からもう一度なぞるのもオッケーです。なぞりがきができたら、出来上がった線の中を塗っていきます。



上が午前の部、下が午後の部でできあがった作品です。画面いっぱいに様々な色で構成されていますが、ところどころ、元の節子さんの作品があらわれてきており、参加者の皆さんと、節子さんの素敵なコラボレーションとなりました。参加者アンケートでは「窓に描くのは家ではできないことなのでよかった」「立った姿勢で絵を描くことはあまりないので斬新だった」などの感想が挙がっていました。