三岸節子の作品について詠んだ短歌を館内で募集し、ご応募いただいた作品です。選者は、中部日本歌人会委員長の小塩卓哉氏です。
第二句が、句割れと字余りを起こしているのでやや変調であるが、そうした句を含む上句全体のややせせこましい音調が、結句ののびやかな感じを演出しているとも言える。作者は、アンダルシアにあるアルカディア・デ・グアディス村で絵筆をとる節子のことを思い、それから一気に現在の一枚の絵と自分との位相に至ったのである。あの時のアルカディアの赤い屋根は現在どんなであるかと。それが「今アルカディア」という結句に結晶したのである。作者の過ごした豊かな鑑賞の時間がこの結句から伝わってくる。
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